毎日の小さな工夫

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第2話

疲れた夜の「最小単位」

仕組みづくりが重要だという結論に至った私は、まず自分の失敗パターンを思い返してみることにした。いつも挫折するのは、どんな時だったか。

思い当たるのは、帰宅後の疲れた時間帯だ。仕事を終えて家に帰ると、意思決定の疲労は頂点に達している。その時に「今夜は何を作ろうか」と、ゼロから選択肢を考えるのは、脳にとって大きな負担だったのだろう。結果、簡単な外食を選んでしまう。これは意思の問題ではなく、疲れた脳への過度な要求だったわけだ。

では、どうするか。私が試してみたのは、決めるべきことを事前に減らすことだった。週末に「来週の自炊は〇〇と△△と□□」と、三種類の献立だけに絞る。毎日同じものを食べるわけではなく、選択肢を限定するだけだ。そうすれば、帰宅後に「今夜は三つの中から選ぶ」という、最小限の判断で済む。

さらに大切だと気付いたのが、ハードルを下げることだ。本格的な料理を目指す必要はない。最初は、火を通すだけの野菜と、味付き肉を組み合わせるといった、十五分程度で完成する献立に限定した。完璧さを求めず、「自炊できた」という体験を積み重ねることが優先だ。

一週間、二週間と続けてみると、不思議な変化が訪れた。何も考えずに調理工程が進むようになったのだ。脳が自動化を始めたのかもしれない。そして何より、毎日の自炊が当たり前になってくると、外食を選ぶ時に違和感すら覚え始めたのだ。

だが、ここからが本当の試練だった。習慣が定着しかけた矢先、ある出来事が私の自炊生活を揺らがせることになる。

続きはまもなく

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