投資信託という名の扉

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第5話

銀行員との再会

銀行の窓口で、前回と違う空気を感じた。

「基準価額が下がっているのを見ると、やはり不安になります」と率直に伝えると、銀行員は頷いた。「その不安は、誰もが通る道です」と返された。

「なぜ続けるのか、教えてもらえますか」

銀行員は一瞬考えてから、こう言った。「それは、私が答えるべき質問ではないのかもしれません。ただ、一つの見方をお伝えするなら——」

彼女はタブレットを開き、過去10年の基準価額の推移を示した。短期で見れば、上下が繰り返されている。だが、5年単位で眺めると、緩やかな上昇の中に、その上下が組み込まれていることが分かる。

「短期の変動は、長期の物語の一部に過ぎません。あなたが見ていた数字の上下は、実は意味のある流れの中に埋め込まれていたんです」

窓の外では、いつものように人々が行き交っている。その中で、自分だけが何か特別な決断をしているのではなく、もっと多くの人が同じように月々を積み重ねているのだという実感が、初めてわいた。

「もう一つ。続ける理由は、投資信託の中にはなく、あなた自身の中にあるはずなんです」

その言葉が、耳に残った。

帰路、スマートフォンのアプリを見直す癖はまだ続いていた。だが、その先に何を求めているのか——その問いは、まだ途中だった。

続きはまもなく

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