第3話
「当たり前」が続く瞬間
一週間が二週間になり、二週間が三週間になった。
自炊を続けてるって言い張れるようになった。完璧さを手放してから、失敗も減った。野菜が余ったら使う、なければ使わない。そのくらいの判断が、自然にできるようになっていた。
でもある日、気づいてしまったんだ。
自炊が「続いてる」ことより、続けることについて考えるのをやめてたってことに。
帰宅して、冷蔵庫を開ける。何があるか見て、何か作る。その繰り返しが、もう日課になってた。朝、歯を磨くのと同じくらい、考えずに行動してる。昨日何を食べたか、覚えてないくらいに。
それは良いことなのか、そうでないのか。正直なところ、判断がつかない。
完璧さを手放した喜びはまだ覚えてる。でも、その喜びも、繰り返してるうちに味が薄れてきた。新しいことをしてる感覚が、だんだん新しくなくなってくる。
友人に前話した「第一段階を超えてる」ってセリフが、今になって引っかかってる。それって結局、ここからが難しくなるってことじゃないのか。
完璧さを手放すのは簡単だ。でも、その当たり前を、ずっと続けることの中に、新しい問題が潜んでるのかもしれない。
「明日は何を作ろうか」って考えてた時の気持ちよさが、今もあるのかどうか。改めて問い直す必要があるような気がしてた。
続きはまもなく
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