第2話
「これでいい」という選択肢
あれから一週間。自炊が続いている。
正確に言うと、完璧さを手放した自炊が続いている。
仕事から帰った日は、ご飯と納豆。野菜が少しあれば、それを足す。時間があれば、味噌汁も作る。でも疲れてたら、作らない。そういう選択肢があるんだって気づいたのが大きかった。
SNSで見かけるような、色合い良く盛られた料理じゃない。むしろ地味だ。でも、自分が作ったものを、自分のペースで食べる。その繰り返しが、案外心地よい。
昨日は、冷蔵庫に残ってた豆もやしと、余ってた鶏肉を炒めただけ。味付けは塩とコショウのみ。レシピなんて見ずに、「今ある食材でなんか作ろう」くらいのノリだった。
それを食べてる時、ふと気づいたんだ。完璧な自炊を目指してた時は、失敗を恐れてた。野菜を腐らせることも、味に失敗することも。だから準備だけ完璧にして、実行に移せずにいた。
でも今は違う。完璧じゃない=失敗じゃないって、どこかで腑に落ちた。むしろ、その時その時で、ある材料で作ることが、自分のペースなんだ。
友人に話したら、「それもう自炊の第一段階超えてるよ」って笑われた。何が言いたいのかは、よくわからなかった。
でも確かに、最初より何かが変わった気がする。明日は何を作ろうかな。そう考えるのが、苦じゃなくなってた。
ただし、ここからが本当の勝負だってことに、まだ気づいていない。
続きはまもなく
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