第4話
判断の重さ
画面の向こう側で、別のチームが同じアシストを使っていた。
主人公は、共有フォルダに上がった彼らの資料を開いた。構成、データの配置、すべてが自分のものと似ていた。いや、ほぼ同じだ。アシストが生成する資料は、学習データに基づいて「最適解」を出す。複数のチームが同じ質問をすれば、似た答えが返ってくるのは当然だ。
それは効率的だ。ばらつきがない。品質が一定に保たれる。
しかし。
主人公は、昨日クライアントと交わした会話を思い出した。業界の慣例だと思っていたその手法が、実は彼らの事業では足かせになっているのではないか。その疑問は、雑談の中から生まれた。資料に書かれていない文脈から生まれた。
もし全社的にアシストの提案を受け入れれば、その疑問は組織全体で埋もれることになる。効率性の名の下に。
上司から追い打ちのメッセージが来た。「その資料、今日中に確定できる?」
承認ボタンを押すか。それとも、異なる判断を主張するか。
アシストが提示した答えは、データ上は正しい。ただ、データに写らないものがある。それを言葉にして、説得できるだろうか。時間をかけて、検証できるだろうか。
主人公の手は、キーボードの上で止まったままだった。
判断することと、判断を受け入れてもらうことは、別の問題なのだ。
続きはまもなく
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