副業エンジニアの試行錯誤

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第5話

透明性と距離感のあいだで

翌朝、別のユーザーからメッセージが届いていた。

「遅延報告ありがとうございました。正直なところ、最初は不安でした。でも理由を聞くと、納得できます。むしろ、こういう姿勢のツール開発者なら、長く付き合いたいと思いました」

その言葉に、胸が軽くなった。同時に、別の重さが生まれた。

ロードマップを公開した時点で、自分は無意識に「すべてのユーザーに同じ透明性を提供する」という前提で動いていた。でも現実は、その透明性をどう受け取るかがユーザーごとに異なるということだった。あるユーザーにとっては信頼の源になり、別のユーザーにとっては不安の種になる。

その利用をやめたユーザーがなぜ去ったのか。想像の域を出ない。完璧な成果物を約束されたと思っていたのか、報告すること自体が「未完成のものを売っている」という証だと感じたのか、それとも全く別の理由か。

本業の仲間に相談してみた。彼は言った。「自分たちの透明性の基準を、相手に一方的に押し付けちゃってるんじゃない?」

その指摘は、痛かった。と同時に、視点が少し変わった。

透明性は善だと思い込んでいた。でも透明性も、一種の「サービス設計」なのではないか。ユーザーによって、どの情報を、どのタイミングで、どの粒度で伝えるべきかは異なるかもしれない。

その夜、自分は新しい選択肢を検討し始めていた。ロードマップの詳細度を段階的に選べる機能、ユーザーが受け取る情報量をコントロールできる設定、あるいは個別の相談窓口。

どれが正解かはまだ分からない。ただ、「対等な関係」とは、相手を一枚岩の存在だと扱わないことなのかもしれません。

続きはまもなく

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