第4話
予期しない接続
コーヒーを淹れるまでの間、私は野菜をテーブルの上に並べた。
形の不揃いさが、かえって新鮮に見える。都市の生活では、規格化されたものを選ぶことが当たり前だった。完璧さを求めることが、どこか疲れていたのだと気づく。
トマトを手に取ると、皮の質感が濃密だ。香りも強い。スーパーのものとは違う。この違いが何なのか、私には判断がつかなかった。ただ、誰かがこれを育てたのだという事実が、手のひらに伝わってくる気がした。
午後、隣の敷地から物音がした。見ると、朝聞いた音の主らしい人物が、農具を片付けているところだった。年配の女性だ。私たちの目が合った。
「新しく来た人ですね」
向こうから声がかけられた。私は急いで外に出た。
「はい、先週引っ越してきました」
「野菜、食べてもらえますか」
それが、最初の会話だった。彼女の名前を聞く前に、野菜の話題が先に来た。それは、ここでの関係の始まり方が、都市での出会いとは異なっているのかもしれないと感じさせた。
「ありがとうございます。どうして…」
「空いている家だから、時々置いてるんです。前の人たちにも」
その言葉で、私は理解した。これは親切というより、この土地の循環の一部なのだ。誰かが何かを作り、それが流れていく。私は、たまたまその流れの中に入ってきたのである。
夕方、玄関の前に再び何かが置かれていた。今度は米だった。
続きはまもなく
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