第4話
習慣の中の違和感
4週目の朝。いつもより15分遅く起床した。
これは実験ではなく、単なる寝坊だった。だが目が覚めた瞬間、奇妙な解放感があった。ルーティンが破られたことへの罪悪感よりも、その破れ目から何かが漏れ出す感覚。
朝食の時間も運動も全てが後ろにずれた。いつもと同じ公園を走ったはずなのに、光の角度が違った。いつもすれ違う人たちが別の人だった。同じ場所、同じ行為なのに、時間帯が変わるだけで世界は別物になる。
帰宅後、ノートに書き留めた観察を見直していて気づいた。習慣と創意工夫が両立しないんじゃなくて、習慣が「固定」されすぎているのだ。朝5時は確かに同じ時間だけど、その中身は毎日違ってもいいはずだった。なのに俺は、時間だけでなく、行動の細部まで同じにしようとしていた。
習慣というのは、繰り返しの枠組みだけなんじゃないか。その枠の中で何をするかは、毎回自由に決められるはずなのに。
明日の朝5時、いつもの時間に起床する。でも運動は別のルートにしよう。朝食は別のもにしよう。そして全く別の観察をしてみる。
ただし、この考え方もまた新しい型になる可能性がある。それに気づきながら、どう動くか。その緊張感こそが、本当の意味で朝が変わるということなのかもしれない。
続きはまもなく
目次