第2話
ボーナスタイムの代償
ゲームを起動して三十分。画面の中の世界に没頭していると、時間が消えているのに気づく。いや、消えているんじゃない。別の場所に流れ込んでいるのかもしれない。
クリア画面が表示された瞬間、スマホがバイブレーションした。unLOCKから通知だ。
『ゲームクリア達成。24時間のボーナスタイムが付与されました。現在の貯蓄:24時間』
ボーナスタイムの使い方は書かれていない。でも不思議と理解できた気がする。それは、日常の中で「余分な時間」として存在するということ。朝の準備で五分早く起きられるとか、仕事帰りに少し余裕が生まれるとか、そういう感覚だ。
数日後、その感覚は確信に変わった。積みゲーを二本クリアした日、いつもより予定をこなす速度が速い。無理をしていないのに、やることが終わる。夜寝る前に読書もできた。
もう一本、また一本。ゲームをクリアするたびに、48時間、72時間とボーナスタイムが溜まっていく。部屋の積み上がったケースが少しずつ減っていく。
でもある夜、ふと考える。こんなことが本当にあり得るのか。アプリは何を目的としているのか。自分は何のためにゲームをしているのか。
画面を開いた時、いつもの黒い背景に新しいメッセージが浮かんでいた。
『報告:あなたの人生に変化が生まれ始めています。次のステップへの招待状をお送りします。準備はいいですか?』
続きはまもなく
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