第7話
単調さの正体
スマートフォンを握ったままの手が、やがて下ろされた。外食アプリを開く指は動かず、代わりに冷蔵庫の前に戻った。
同じ野菜たち。だが今、それを眺める自分の気持ちは以前とは違っていた。効率的になったことへの満足感と、それが生んだ退屈さ。両者が同時に存在していることに、改めて気づいた。
これはもしかして、外食に頼ることと本質は同じではないか。手間を避けるために選んだ外食も、いま自分がしていることも、どちらも「簡単に決まる」ことへの依存に過ぎないのではないか。
二週間続けてわかったのは、習慣化することの両面性だ。習慣は確かに、毎日を楽にする。朝の支度も、夜の調理も。だが同時に、思考を休ませてしまう。何も考えずに手が動く状態は、自分が主体的に選んでいるという感覚を薄れさせていく。
そこまで考えたとき、ふと違う見方が浮かんだ。もしかして、ここからが本当のスタートではないか。効率と単調さの葛藤を感じながら、それでも毎日を続けること。完璧な習慣を目指すのではなく、習慣と向き合い続けることが、実は求めていたものなのではないか。
手には、昨日と同じ野菜を持ったまま。だが調理台に向かう足取りは、いつもより少し遅かった。今夜、何かひとつ変えてみようか。その小さな問いが、心の中で静かに生まれていた。
続きはまもなく
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