第5話
第5話 待つことの重さ
朝5分のノートに、今日は何を書くべきか迷った。
応募してから3日。面接の連絡は来ていない。来ないのが当たり前だと知っていても、スマートフォンを何度も確認してしまう。講義中も、アルバイト中も。
「朝5分」の習慣は、行動を促す魔法だと思っていた。だが今、俺はその限界を感じていた。ボタンを押すことはできた。だが、その先は自分ではコントロールできない。
ノートには結局、「面接対策の本を買う」と書いた。5分で終わるはずもない作業。だが、待つだけの自分より、少しでも準備を進める自分でいたかった。
朝食後、図書館に向かった。就職対策のコーナーで本を手に取る。ページをめくりながら、ふと気づいた。
応募書類を書いていた時の俺は、志望動機の言葉を探していた。だが今、俺は何かから逃げているのではないか。待つことが怖くて、次のタスクに飛びついているだけではないか。
本を棚に戻した。
図書館を出て、公園のベンチに座った。朝日が顔に当たる。風が吹く。何もしない時間。朝5分では拾えない、別の何かがここにはあった。
桜子に連絡を取ってみようか。だが、まだ報告することはない。いや、今こそ報告すべきなのか。迷いながらもスマートフォンを握った時、メール通知が鳴った。
インターンシップの事務局からだった。
件名は「面接のご案内」。
胸が高鳴った。だが同時に、別の感情も湧き上がった。準備不足の不安。本当にここでいいのか、という迷い。朝5分では消せない、もっと深い問いが、今、俺の中に生まれていた。
続きはまもなく
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