眠りの処方箋

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第2話

音の正体

白い枕を手に、店員に勧められるままにメモリーフォーム素材について聞いた。頭の形に沿うから寝返りが楽だという説明。正直、枕ごときで変わるのかと半信半疑だったが、レジに向かっていた。

帰宅後、古い枕と取り替えてみる。高さが微妙に違う。初めは違和感があったが、横向きになると意外と首が楽だ。その夜、いつもより早く寝床に入った。

また隣の部屋から音が聞こえた。昨晩より大きく聞こえる気がする。川のような、雨のような。心地よいというより、今夜は何か違った。音の正体が気になり始めた。

朝、目が覚めたときの体の感覚は前日とは違っていた。そこまで重くない。昨晩の睡眠時間は前夜と変わらないはずなのに。枕のせいか、それともまだ気のせいか。

昼休みに同僚が隣人の話題を出した。「階下の人、夜中に水の音を流してるらしいよ。睡眠用の環境音だって。最近流行ってるんだって」

環境音。なるほど、あれはそういうものなのか。隣人は意図的に自分の睡眠環境を整えようとしていたのだ。

その夜、自分も試してみることにした。スマートフォンで「睡眠用 環境音」と検索すると、数え切れないほどの選択肢が出てくる。川音、雨音、風音。隣人が流していたのはおそらく雨音だろう。

イヤホンを装着し、再生ボタンを押した。白い新しい枕に頭を預け、音に身を任せた。

朝、いつもより遅く目が覚めた。目覚まし時計を止めるまでの間、その目覚ましが必要になるまで、確かに眠り続けていた。

続きはまもなく

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