第7話
小さな「できた」の積み重ね
曜日ごとのテーマを決めてから、二週間が経った。
月曜の作り置きは、週末の準備という明確な目的がある。それが水曜の「新しいレシピ」へと繋がり、金曜の「使い切る日」では、それまでに作ったものの消費状況が自然と見えてくる。三つの役割が、ちょうどよく循環している。
だが気づいたことがもう一つある。
こうした工夫の効果は、モチベーションが高い時には正直なところ、そこまで実感できないのだ。月曜朝に「今週は作り置きをするぞ」と決めても、すでにやる気があれば、テーマなど関係なく調理は進む。本当に頼りになるのは、その気分が落ち込んだ時なのである。
先日の木曜の夜。仕事で疲れた私は、金曜の調理に気が進まなかった。「冷蔵庫の中身を使い切る日」という役割がなければ、おそらく外食を選んでいただろう。しかし、あらかじめ決めた「テーマ」があるおかげで、その晩はキッチンに立った。
結果、残っていた野菜をスープに変え、前の週の作り置きを活用した。二十分の調理で、食卓に並んだ。派手さはない。けれど、「これでいい」という感覚が心地よかった。
習慣化の研究では、しばしば「同じ時間に同じ行動をする」ことの重要性が強調される。それは確かに正しい。ただ、私が今感じているのは、別の側面だ。
「決まった枠組みの中で、自分のペースを調整できる余白」。そこにこそ、習慣が腐らずに続く秘密があるのではないか。完璧な自炊者になることではなく、自炊との関係を「柔軟に保つこと」。その中で、小さな「できた」を数え続けることが、次への足がかりになっていく。
金曜の夜、冷蔵庫は、ほぼ空になっていた。
続きはまもなく
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