第4話
習慣を手放すこと
新しさを求める動きは、一時的な活力をもたらした。だが、ここで別の現象が起き始めたのだ。
献立を変えるたびに、私は再び計画を立てることになった。買い物リストを作り直し、調理手順を確認し、場合によっては失敗もする。その度に「やっぱり簡単な献立に戻そうか」という声が、心の奥底から聞こえてくるのだ。
振り返ると、私は矛盾した二つの欲求の間で揺れていた。一方では、習慣を続けたい。もう一方では、その習慣に退屈している。完璧さを求めず新しさを加えると言いながら、実際には「新しさ」という名の新たな負担を背負わせていたのではないか。
そこで気付いたのは、習慣を続けるために最も必要なものは、時には習慣を手放す勇気かもしれないということだ。何もかも完璧に続ける必要はない。週に一度だけ、決まった献立を忘れる日を作ってもいい。外食をする日があってもいい。完全さを手放すことで、逆説的に、習慣そのものへの執着も軽くなるのだ。
自炊を「続ける」という目標は、いつしか「どう付き合うか」という問いへ移行していた。習慣は、縛るものではなく、自分の生活にどんな余白を残すかの問題なのではないか。その問いを携えながら、私は次の季節を迎えることにしたのだ。
続きはまもなく
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