夜明けの処方箋

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第一話 眠れない夜の来訪者

朝の三時。佐藤は天井を見つめていた。ベッドに入ってから五時間。相変わらず眠気は訪れない。スマートフォンの画面を見て、また時間が経ったことに気づく。この繰り返しもう三年だ。

翌日、会社の休憩室で同期の田中が呟いた。「最近、睡眠クリニック行ってみたんだ。けっこう面白い」と。佐藤は頭を上げた。

クリニックの待合室は期待と異なり、薬の臭いもなく、むしろ静寂に満ちていた。医師は高齢だが、眼差しが穏やかだった。

「睡眠薬の処方だけが答えではない。むしろ多くの場合、そこまで行く前にできることがある」医師はそう語った。佐藤は目を疑った。睡眠不良の原因について、医師は細かく問いかけてきた。起床時間。夕食の時刻。運動の頻度。光を浴びる時間。そして仕事のストレスについて。

「これらは全て、睡眠の質に影響する要因です。薬を飲む前に、これらの見直しをしてみませんか」

佐藤は違和感を覚えた。同時に、何かが心に落ちた。自分の夜は、実は自分で作られていたのではないか。その可能性に、初めて向き合った。

帰路、夕日が西の空を染めていた。佐藤は深呼吸をした。

続きはまもなく

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