夜明けまでのバーゲン

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設定の中身

アプリを開いて、歯車マークをタップした。

推奨設定——その名前だけで、すべてが自動で決まるはずだった。就寝時刻、起床時刻、室温、照度。アプリが学習して、ユーザーに最適な数値を提示する。それを受け入れるだけで、理想的な睡眠が手に入る。シンプルで、完璧で、疑う余地がない。

でも画面を見ていると、ふと違和感を覚えた。

数字がきれいすぎるのだ。22時00分、6時30分。30度、50ルクス。すべて整数。人間の体ってそんなに単純だろうか。推奨設定が本当に個人に合わせたものなら、もっと細かい値が出ていてもおかしくない。

画面をスクロールしていくと、「詳細設定」という項目を見つけた。タップすると、新しい画面が開く。そこには、さらに細かいパラメータが並んでいた。

脳波パターン補正、REM睡眠誘導、レム睡眠抑制周期——見たことのない用語ばかりだ。そしてそのすべてが、チェックボックスで有効になっていた。

「睡眠中の軽い覚醒です」というアプリのコメント。今、改めて見ると、その説明は違う気がした。軽い覚醒じゃなくて、意図的に覚醒させられている。そう感じられてならない。

スマホの画面をつけたまま、天井を見つめた。あと9時間弱で、また2時33分がくる。その瞬間、また誰かの気配を感じるのだろう。

しかし今度は違う。今度は知っている。この感覚は、アプリが計画した何かなのだということを。

それでも、削除することはできなかった。完璧な睡眠スコアを失うことが怖かったのか、それとも、別の理由があったのか。自分でも分からないまま、推奨設定を確認し続けていた。

続きはまもなく

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