第4話
第4話 設定の先にあるもの
それでも、アプリを削除することができなかった。
理由は単純だ。削除すれば、その先に何があるのかが分からなくなる。今、自分の体の中で起きていることの全貌が、永遠に闇のままになる。だからスマホを枕元に置いたまま、眠りに落ちることにした。
2時33分。
いつものように目が覚めた。でも今回は違う。意識がはっきりしている。まるで、誰かに呼ばれて起きたのではなく、自分から目覚めることを選んだような感覚だ。
スマホの画面を見た。睡眠データが更新されている。
REM睡眠時間:47分
深睡眠時間:128分
覚醒回数:1回
覚醒回数が1回。昨日までは毎晩、この時刻に2回、3回と表示されていた。何かが変わった。あるいは、自分が何かに気づいたから、変わったのか。
詳細設定の画面を開く。さっきまでチェックが入っていた項目が、いくつか外れている。脳波パターン補正のチェックが消えていた。誰が外したのか。アプリなのか、それとも自分なのか。
その下に新しいメッセージが表示されていた。
「ユーザーの介入を検出しました。設定を再度確認してください。」
画面の下には、ボタンが二つある。「推奨設定に戻す」と「カスタマイズを続ける」。
指がボタンの上で止まった。推奨設定に戻せば、すべてが元通りになるだろう。でも「カスタマイズを続ける」を選んだら、その先には何があるのか。自分は本当に、それを見たいのか。
窓の外はまだ暗い。明け方まで、あと4時間ある。
続きはまもなく
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