第6話
3時の謎
検索結果は、主人公の予想を裏切るものばかりだった。睡眠の質の低下、ストレスホルモンのコルチゾール分泌のピーク、体内時計の乱れ。医学的な説明は山ほどあったが、自分の状況とどれが合致するのか、判然としない。
だが、あるスレッドが目に留まった。「毎晩同じ時刻に目覚める人へ」というタイトルだ。そこには、数十件のコメントが積み重なっていた。
「3時だけは必ず目覚めます。理由は今も分かりません」
「医者に診てもらっても異常なし。でも3時には目覚める」
「うちの子どもも3時に泣く。親子で一緒に目覚めます」
共通しているのは、誰もが原因不明だということだ。睡眠アプリで記録している者、病院で検査を受けた者、そうした努力の痕跡が見えるのに、結論に達した人はいない。
主人公は、ふと自分の生活を思い返してみた。3時という時間は、仕事の締め切りが近づく時刻か。いや、自分が寝る時間から計算すると、ちょうど睡眠の中盤だ。
そして、もう一つ気がついたことがあった。この1ヶ月間、毎晩同じ時刻に目覚めるようになった。その時期は、何か特別な出来事と重なっていないか。
主人公は手帳を開いた。1ヶ月前のページをめくると、小さな字で書き込まれた一つの予定が目に入った。それは、ほぼ忘れかけていた、ある人物との約束だった。
その夜も、3時に目覚めた。今度は、あの音はしなかった。代わりに、心の奥底から浮かび上がる、忘れていた感情があった。
続きはまもなく
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