月給の使い道

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第5話

揺らぐ心、定まる問い

給料日の前夜、私は家計簿を眺めていた。

先月の収支を辿ると、投資信託への入金五万円が、ひときわ目立って見える。月給の中で、それまでにない「選択」として存在していた。

実は、その後の一週間、私は何度も口座を確認してしまっていた。基準価額は上がったり下がったりを繰り返している。わずかな変動なのに、その度に心が揺れた。安心したり、不安になったり。先輩の言葉が頭に残っていたから、その揺らぎ自体を観察しようとしていた。でも、観察するのは、想像より疲れることだった。

来月も同じ五万円を入金するべきか。それとも、もっと慎重に、少ない額から始め直すべきか。あるいは、一度立ち止まるべきか。

選択肢は、想像以上に多く見えた。そして、その多さが、私に違う気づきをもたらしていた。投資信託を始める前、私の「選択」は限定的だった。貯金に回すか、何かに使うか。その二者択一に見えていた。でも今、月給の使い道は、もっと複雑で、もっと個人的で、もっと自分自身に問いかけるものになっていた。

金曜日、給料が振り込まれた。

いつもの金額が、いつもの口座に入った。ただ、この時間が、前とは少し違う実感として存在していた。私は、この先どうするのか、まだ決めていない。決められていない。

ただ、その決まらなさの中に、自分が何を大事にしているのかを問い直す時間が、確かに生まれていることに、気がついていた。

続きはまもなく

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