第4話
最初の一歩と、その後の景色
お金が動く実感は、思ったより具体的だった。
入金から三日後、スマホに通知が来た。投資信託の購入が完了したという知らせ。私が選んだ商品の基準価額が、わずかだが上がっていた。それを見た時、私は予想外の感情に襲われた。喜びではなく、責任感だ。
翌週の月曜日、先輩に会った。いつもの休憩室で。私は何も報告しないつもりだったが、先輩の方から話しかけてきた。
「その後、何か考えた?」
短い問いだった。でも、先輩はちゃんと待ってくれているんだと分かった。迷いながらも、私は口を開いた。
「証券口座を開きました。投資信託を始めました」
先輩は笑顔で頷いた。「そっか。でね、ここからが本当の話なんだ」と続けた。
「始めることは大事。でも、その後ずっと、自分の判断を問い直し続ける必要がある。相場が上がれば安心するし、下がれば不安になる。そういう気持ちの変化の中で、自分が本当に何を大事にしているのか、少しずつ見えてくるんだよ」
先輩の言葉は、私の一歩が終わりではなく、ここからが始まりなのだと教えてくれた。投資信託の商品選びより、その後の自分との向き合い方の方が、はるかに重いのかもしれない。
給料日が近づいている。来月も同じ金額を入金するのか、増やすのか、それとも別の判断をするのか。その選択肢が、今、私の中に生まれている。
続きはまもなく
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