第4話
第4話 朝の時間が、人を映す鏡になる
三週間目の朝、いつもより少し早く目が覚めた。
窓を開ける前に、ふと立ち止まった。毎朝同じことを繰り返す自分を、客観的に眺めてみたくなったのだ。白湯を飲み、朝日を浴び、隣家の前を通る人を数える。その一連の動作は、もはや自動的だ。思考がなくても体が動く。
だからこそ、気づくことができた。
朝の五分間で、自分の中の何かが明らかになっていくということに。昨日の疲労。今日への不安。誰かへの気がかり。そうした重いものが、朝日の中では色褪せて見える。消えるわけではない。ただ、違う角度から眺め直すことができるようになっていた。
習慣が体を支配しているのではなく、習慣が自分の内側を照らす灯火になっているのかもしれない。
キッチンの壁に貼られたカレンダーを見た。二十一日分の印がついていた。数字として見ると、ただの二十一日。けれど、朝ごとに積み重ねられた二十一日は、何か別のものに変わっている気がする。
その日、家族が朝食の時間に気づいた。「最近、朝が変わった」と母が言った。理由は聞かれなかった。自分でも、明確には言えないだろう。ただ、小さな習慣が、家の空気さえ少しずつ変え始めていることを感じている。
四週間目は、もうすぐそこだ。
続きはまもなく
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