第3話
第3話 二度目の失敗と、小さな発見
なぜ続かないんだろう。
一度できたのに、二度目がこんなに難しいなんて。それとも、昨日の朝は、たまたま運が良かっただけなのか。
会社の昼休み、その問いは頭から離れなかった。デスクに一人、弁当を食べながら、ずっと考えていた。
そこへ、隣の席の田中が声をかけてきた。田中は営業部にいる人で、普段はあまり話さない。
「最近、寝坊してるっぽいね」
図星だった。
「朝活、やってるんですか」と聞くと、田中は笑った。「前、SNSで見かけたから試してみたんだけど。最初は続かなくてさ。でもね、工夫次第なんだよ」
工夫。その言葉が引っかかった。
「例えば、朝一番にやることを決めておくとか。コーヒーだけとか、本を一ページだけとか。小さいことでいいんだよ。大事なのは、ベッドから出ることなんじゃないかな」
帰り道、その言葉が何度も思い出された。
昨日の朝、自分がしたのは何か。コーヒーを淹れた。ほんの数分のことだ。それなのに、あんなに気持ちよかった。
一方で今朝は、アラームが鳴った後、何もしなかった。ベッドの中で、あれこれ計算していた。その時点で、勝負は決まっていたのかもしれない。
夜、スマホを手に、いつもの朝活の投稿を眺めた。みんな、完璧に見えた。朝日の写真、キレイな朝食、達成感のある言葉。
でも、最初からそうだったのか。それとも、小さな工夫を重ねて、今があるのか。
ベッドの横に、コップを置いた。アラームを鳴らす代わりに、朝5時に自動でメールが来るよう設定した。スマホはやっぱり枕の反対側に。
明日の朝、何をしようか。コーヒーはもう飲んだ。昨日と同じじゃなく、何か別のことをしてみようか。
考えながら、眠りについた。
続きはまもなく
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