周波数を探す人たち

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第2話

迷いの地図

「ビジネスとか、教育とか……どれが面白いのか、わからないんだよね」

孫娘の言葉に、僕は頷いた。昔のラジオなら、そんなことを考える余地もなかった。時間が来れば、自動的に音が流れてきた。選択肢がないことが、ある意味では親切だったのかもしれない。

「じゃあ、君は最近、何を聞いてた?」

彼女がスマホをいじると、再生履歴が表示される。タイトルを眺めていると、ある傾向が見えてきた。勉強の話、友人関係の悩み、アイドルの話題、ファッション……。ばらばらに見えて、実は一本の線でつながっているような気がした。

「これ、全部君が『今、知りたい』ことじゃないか」

そう言うと、彼女の表情が変わった。自分が何を求めているのか、明確に意識していなかったのかもしれない。

「昔のラジオディレクターは、聴者が何を欲しているかを、勝手に決めていたんだ。でも今、その決定権は君たちにある。ただし、自分が何を欲しているのかを知らなきゃ、その力は使えない」

スマホの画面を指でなぞりながら、僕は続けた。「だから探すんだ。自分たちの『周波数』を。昔は放送局が周波数を決めてくれていた。今は自分たちで見つけないといけない」

「難しくない?」

「そりゃあ、迷うよ。何億という選択肢があるんだからね。でも……」

と、僕は画面を見つめた。「その迷いながら探す過程が、実は大事なのかもしれない。何を聞くかが、その人が今、何を考えているのか、そのものなんだから」

それは、昔の僕たちにはできなかったことだ。番組表を眺めるしかなかった。でも今、彼女たちは自分の内面を音声で探索できる。その力は、使いこなせば、昔のラジオの時代にはあり得ない何かを生むかもしれない。

「試しに、一つ一つ聞いてみようか。君の周波数が、どこにあるのか」

そう言って、僕たちはスクロールを始めた。

続きはまもなく

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