スリープハック・ダイアリー

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第4話

アナログな夜の実験

手首の空白感に慣れ始めた頃、僕は新しい実験を始めた。

寝る前にスマートフォンを別の部屋に置き、ベッドの傍には紙のノートとペンだけを置くようにしたのだ。前夜の睡眠について、数字ではなく言葉で記録する。「よく眠れた」「途中で目が覚めた」「朝方は寒かった」といった具合に。

最初の数日間は、その曖昧さが落ち着かなかった。良い睡眠と悪い睡眠の境界線が引けない。でも一週間も続けると、興味深いパターンが見え始めた。

数字では見えなかったことだ。例えば、月曜日は「仕事のことが頭から離れない」という記述が増える。木曜日になると「体が軽い日が多い」という傾向が浮かぶ。数字ならば「スコア70」と「スコア75」で済まされていたかもしれない差異が、言葉にすると初めて個人的な意味を持ち始めたのだ。

ある夜、記録を読み返していて気づいた。「眠れない」という焦りは、いつも「今夜のスコアはいくつになるだろう」という計算をしようとしたときに生まれていたのではないか。言葉で書くようになって、その計算の時間が減った。代わりに、今この瞬間の自分の状態を受け入れることが増えたような気がする。

それでもまだ、本当の意味で手放せていないのかもしれない。ただ今は、数字という装甲を脱ぎ捨ててみて、自分の体が何を言いたいのか、少しずつ聞き始めているところだ。

明日の夜も、ペンを握ることにしよう。

続きはまもなく

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