夜明けまでの処方箋

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第2話

夜明けまでの処方箋 第2話 一時間の空白

コンサルタントの提案は、思ったより単純だった。ただし、実行は別の問題だった。

帰路の電車の中で、自分の夜間の行動を改めて考えてみる。ベッドに入る一時間前にスマートフォンを手放す。その時間に何をするのか。コンサルタントは「その間に何をするか、ここが大事」と強調していた。それは単なる禁止ではなく、何かを置き換えることだったのだ。

仕事帰りの疲労感の中でも、初日の夜は来てしまう。いつもより早めにベッドルームに向かい、スマートフォンをリビングの充電ステーションに置いた。手ぶらの状態が奇妙に感じる。習慣とは恐ろしいもので、ベッドに横たわると無意識に手を伸ばしかけた。

代わりに枕元に置いたのは、かつて読み途中のまま放置していた本。ページを開く。最初は落ち着かない。脳がスマートフォンの刺激を求めている感覚が明白だ。だが、数分が経つと、文字への集中が少しずつ戻ってきた。完全ではない。何度も同じ段落を読み返した。けれど、この行為そのものが、心地よい退屈さをもたらしていた。

翌朝、目覚まし時計の音で目が覚めた。いつもより早い。通常は3時か4時の覚醒。それがない。完全に朝まで眠っていたわけではないかもしれない。だが、その日の朝は、これまでと違う軽さがあった。

コンサルタントとの次の面談まで、あと六日間の記録がある。この一週間を乗り切れるか。小さな実験は、まだ始まったばかりだった。

続きはまもなく

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