夜明けまでの処方箋

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第1話

第一話 3時の目覚め

また3時に目覚めた。朝日はまだ遠い。スマートフォンの画面を点ける習慣は、もう何年も続いている。SNSのタイムラインは眠らない。世界中からの通知がひっきりなしに流れ込んでくる。

昨年の健康診断で医師から指摘されたことを思い出す。「睡眠の質が落ちているようですね」という何気ない一言。その後、自分の状態が言語化されたことで、初めて異常さに気づき始めた。朝の倦怠感。昼間の集中力の散漫さ。些細なことでのイライラ。すべてが繋がっている気がした。

ベッドに戻ろうとするとき、知人の紹介で連絡先をもらっていたコンサルタントのことを思い出した。話を聞くだけなら、と軽い気持ちで翌日のアポイントメントを取った。

昼間の打ち合わせを終えて、指定されたカフェに向かう。落ち着いた雰囲気の店で、思ったより若い女性が待っていた。コーヒーを片手に、彼女は単刀直入に尋ねた。「毎晩、何時までスマートフォンを見ていますか」

その質問に、自分がいかに夜間の行動パターンを意識していなかったかに気づかされた。「ベッドに入るまで」と答えると、彼女は頷きながら、スマートフォンのブルーライトが睡眠に及ぼす影響について、淡々と説明した。講義のような感じではなく、あくまで対話としてのやり取りだった。

「すぐに全て変える必要はありません。まずは一週間、寝る一時間前はスマートフォンを触らないようにしてみてください。その間に何をするかは、ご自分で決めてください」

帰宅後、その言葉が頭を離れなかった。一時間。たったそれだけのこと。しかし、それすら難しいのだと、自分は気づいた。

続きはまもなく

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