朝まで一直線

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第5話

夜明け前の静寂

明け方、また目が覚めた。

時計を見ると午前4時。いつもより早い。心臓が少し高鳴っているのを感じた。今までなら、そこから絶望的な気分に沈むのが常だった。でも今夜は違う。目が覚めたこと自体よりも、その後どうするかのほうが気になっていた。

部屋の中は静寂に包まれていた。窓の外も暗いまま。この時間帯は、自分だけが世界に取り残されているような感覚に陥りやすい時間だ。だからこそ、試行錯誤の渦中にいた自分は、この瞬間をどう過ごすかについて、いくつか試してみていた。

ベッドの中で、呼吸に意識を向けてみた。鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐く。単純な動作だが、心拍数が少しずつ落ち着いていくのを感じた。昨日、SNSで見かけた投稿に書かれていた方法だ。

本当に効くのか、科学的根拠があるのか、そんなことはまだよくわかっていない。ただ、試してみると、頭がもやもやした状態から、ほんの少し抜け出せる気がする。その差が大事なのだと、この一週間で気づき始めていた。

三十分ほど経ったとき、ふと思った。もう一度寝られるのかもしれない、という見込みが、初めて湧いてきた。これまでは、目が覚めたら最後、朝まで諦めていた。だが、今の自分には、わずかな希望がある。希望があれば、試してみようという気になれる。

再びベッドに身を委ねた。昨日の昼間、同僚に言われた「元気そうだね」という言葉を思い出した。自分では気づいていない変化が、目に見えない形で積み重なっているのかもしれない。

それでもまだ、本当に改善されているのかどうか、確実なことは言えない。一ヶ月後、半年後、どうなっているか。そこまで考える余裕はなかった。今できるのは、今夜も、明日の夜も、試し続けることだけだ。

いつの間にか、また目が閉じていた。

続きはまもなく

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