第2話
朝の来訪
目が覚めた時、窓の外がもう明るかった。
慌てて時計を確認する。6時37分。いつもより遅い。いや、待てよ。夜中に起きた記憶がない。
ベッドから起き上がって、昨夜のことを思い返す。寝る1時間前にスマホを置いて、天井を見ていた。その後、いつの間にか寝ていたんだろう。夜中に何度も目が覚めるという、ここ数週間のパターンが、昨夜は起きなかった。
鏡の前に立つ。顔色が違う。疲労感が薄い。これだ。これが『質の良い眠り』なのか。
ただ一晩だから、と自分に言い聞かせる。偶然かもしれない。でも昨日と今日では、何かが違っている気がしてならない。朝日の中で自分の表情を見ていると、小さな希望みたいなものが胸に引っかかった。
仕事から帰ってきたのは23時。いつもより遅い。疲れた体でキッチンに向かいかけたが、寝室の時計に目が行った。1時間後に寝る準備を始めよう。そう決めた。
スマホを手にして、いつもの習慣でSNSを開く。昨夜の睡眠について、誰かのつぶやきが目に留まった。『質の良い睡眠は、翌日の集中力を変える』。その下には、生活習慣の工夫についてのスレッドが続いていた。
読み進めながら、自分の昨夜の体験と照らし合わせてみる。スマホを置いた時間、部屋の温度、寝具……。すべてが関係しているのかもしれない。
22時になった。スマホを置く。昨夜より自然にそれができた気がする。ベッドに横になって、天井の薄い汚れを数える。退屈さがあるけれど、昨夜と違うのは、その退屈さが心地よく感じられることだった。
明日の朝、また同じように目が覚めるのか。それとも、また夜中に起きるのか。わからない。でも、昨夜は変わった。その事実だけで十分だ。
眠気が近づいてくるのを感じながら、ふと思った。これから毎日、この小さな試行錯誤を続けたら、自分はどう変わるんだろう。
続きはまもなく
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