第2話
小さな習慣
昼休み、田中と鈴木は会社の近くのコンビニに向かった。
「で、その工夫ってなんですか」と田中は聞いた。鈴木は缶コーヒーを手に取りながら答えた。
「寝る前の過ごし方を変えた。スマホを寝る1時間前に触らないようにしたんだ。あとは、毎日同じ時間に寝るようにした」
「毎日同じ時間...」
田中は思った。自分の寝る時間は、その日の気分や疲労度でまちまちだ。11時の夜もあれば、深夜1時になることもある。
「最初は効果なくて、1週間くらいは相変わらずだったよ。でもね、2週間目ぐらいから、何か変わってきた。朝起きるのが楽になった。3時に目が覚めることがなくなった」
3時に目が覚めることがなくなった—その言葉は、田中の心に引っかかった。あの毎晩のルーチン、天井との距離を数える時間が、なくなるということか。
「本当ですか」
「ホント。でもさ、これは人によるかもな。俺には合ってたってだけだと思う。ただ、試してみる価値はあると思うよ。15年同じ朝を迎えてるんでしょ。変わらなかったら、その時また考えたらいい」
帰り道、田中は考えていた。スマホを寝る1時間前に触らない。毎日同じ時間に寝る。それだけのことが、本当に自分の朝を変えるだろうか。
疑いもあった。でも、疑いだけでは何も変わらない。今夜から始めてみようか。そう思いながら、田中は会社へ戻った。
続きはまもなく
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