第1話
第一話 朝日が怖い
また3時に目が覚めた。天井の薄い染みをぼんやり眺めながら、田中は天井との距離を数える癖がある。大体いつも同じ位置で目が覚めるので、同じ距離を数ることになるのだが、それがなぜか落ち着く。
寝坊しないよう4時半のアラームをセットして、そのまま天井を見つめる。もう一度寝られたら...と思うけれど、その考え自体が脳を覚醒させる。悪循環だとわかっているのに、毎晩同じことを繰り返している。
朝7時、会社に着く直前のトイレで、鏡に映った自分の顔を見た。昨日も昨日の前の日も、同じ顔をしていた。クマが濃い。肌がくすんでいる。もう35歳だし、こんなもんなのかな...そう思いかけたとき、同期の鈴木が横に来た。
「田中、大丈夫?ずっと疲れてない?」
無意識に顔をしかめたのだろう。でも正直に答えた。「睡眠、あんまり...」
「あ、俺も前そうだった。でも最近、ちょっと工夫したら変わったよ」
その工夫が何なのか、田中は気になった。もう15年も同じような朝を迎えているのに、本気で変わろうと思ったことはなかった。これまでは「自分はこういう体質」だと諦めていた。でも鈴木は、何か変えたんだ。
「教えてよ」
鈴木は笑った。「休憩時間に話そうぜ」
続きはまもなく
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