第1話
第一話 日曜の誓い
朝7時、冷蔵庫の前で深呼吸した。今週こそうまくいく。そう思いながら、私はスマートフォンで保存した「作り置き推奨レシピ30品」の画面を眺めていた。
仕事が忙しくなってから、夜遅く帰ってきて何か食べるたびに、そのたびに罪悪感を覚えていた。コンビニ弁当、スーパーの総菜、ときには朝食を抜く。そんな生活を変えたくて、SNSで流れてくる「作り置きで人生変わった」という投稿に惹かれ始めたのは3ヶ月前のこと。
最初の2週間は楽しかった。野菜を切り、味付けして、瓶に詰める。その作業の中に、なぜか達成感があった。平日の夜も、チンするだけで野菜がとれる生活。理想的だと思った。
だが今週、気づき始めていた。作ったはずの小松菜の胡麻和えが、水曜日には色が濃くなり、木曜日には風味が落ちていた。冷凍したトマトソースは予想より霜がついていた。何より、日曜日に5時間費やして作ったものを、流れ作業のように消費していく自分の姿に、少し虚しさを感じていた。
今日も同じ轍を踏むのか。材料を広げながら、私は考えていた。完璧じゃなくていい。そう何度も唱えてみたが、スマートフォンには新しい推奨レシピが次々と表示されていた。
続きはまもなく
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