第6話
第6話 母からの電話
その道がどこへ向かうのか、僕にもまだわからない。
スマートフォンの画面を見つめたまま、何度も文字を打っては消した。「まだ考え中」「大丈夫」「ちょっと待ってほしい」—どれも嘘に思えた。
ついに、母に電話した。
「あ、どうしたの?」電話越しの母の声は、いつもより不安げだった。
「スクールのことなんだけど...」と切り出すと、母は黙った。きっと、「ようやく申し込むんだ」と思ったんだろう。
「実は、違うやり方を試してみたくて」
そこから先は、うまく説明できなかった。YouTube、本、小さなプロジェクト、わからないまま進む感覚。修了証がない学習の話。母に理解してもらえるか、正直わからなかった。
「つまり...」母は慎重に言葉を選んだ。「お金がかかる講座はいらないってこと?"
「そうじゃなくて。何が必要か、もう少し試してみたいんだ」
沈黙が流れた。母は、以前より落ち着いた声で言った。
「そっか。で、今のやり方で大丈夫そうなの?」
その質問に、僕は答えることができなかった。大丈夫じゃないかもしれない。むしろ、ここからがもっと難しくなる可能性もある。でも、完了を急ぐことだけは避けたい。
「試してみないとわかりません」と僕は言った。
母は笑った。「そっか。じゃあ試しなさい。その代わり、ちゃんと何か形にしてね」
電話を切った後、僕は改めて気づいた。母の言葉は、応援というより、試問だったのかもしれない。「本当に大事なものなら、自分で証明してみせろ」という。
その夜、研究室に泊まり込んだ。小さなバグを一つ、修正するために。修了証には載らない、誰も見ない修正。でも、確かに手応えがあった。
続きはまもなく
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