余白を選ぶ

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第一話 窓を開ける

朝、目が覚めた時の第一声は、いつも「あ、また増えてる」だった。

部屋を見回ると、昨日買ったままのビニール袋、着ていない服、なぜか3個ある同じ種類のマグカップ。クローゼットを開ければ詰め込まれた洋服が襲いかかってくる。デスクの上には書類と、いつ飲むのか分からないサプリメントの瓶。

いつからこんなになったんだろう。

仕事の帰り道、カフェに立ち寄ってスマートフォンをスクロールしていると、誰かのSNS投稿が目に入った。木製のテーブル、白い壁、本が数冊。そこには静寂が写っていた。コメント欄には「こんな生活憧れる」という言葉ばかり。

その夜、ベッドに入ってから、ずっと天井を見つめていた。

朝、会社に行く前に、窓を全部開けた。空気が流れ込んで、部屋全体がふわりと動いた気がした。その一瞬、何かが切れた。

まずはあの3個のマグカップから、と思った。

そしてクローゼットの扉に手をかけた。

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