第7話
ユーザーの声は、予想と違っていた
アンケートの配信から3日。回答数は予想より少なかったが、その内容は自分の想定を大きく揺さぶるものだった。
「詳細版と簡潔版を選べる機能、正直どちらでもいい」という回答が複数あったのだ。むしろ目立ったのは、別の要望だった。「更新されたことを知る仕組みがほしい」「複数のプロジェクトを一度に管理したい」「他の人と共有したい」。
自分が悩み抜いた「情報提供の粒度」は、実はユーザーにとって優先度の高い問題ではなかったのかもしれない。それどころか、自分が作りたいと思った機能と、ユーザーが本当に必要としている機能にズレがあることに、初めて気づいた。
本業の経験を思い返してみた。大企業のプロダクトチームは、恐らくこうした小さなズレの積み重ねを、何度も何度も修正しながら進めているのだろう。自分はこれまで、一人で完結させようとして、その過程を短縮していたのだ。
アンケート結果を眺めながら、自分は少し迷った。今から方向性を変えるべきか。それとも、当初の計画を貫くべきか。
答えは、その先にあるような気がした。何かを「作る」決定より、何を「作らないか」決める方が、実は難しいのかもしれない。
続きはまもなく
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