第2話
習慣は小さな積み重ね
翌日も、その翌日も、朝のアラームで目が覚めた。
最初の3日間は「続けなきゃ」という義務感に駆られていた。でも4日目くらいから、なんとなく自然に起きられるようになってた。体が覚えたのかな。
朝5分の過ごし方は日によって変わった。コーヒーの日もあれば、窓から外を眺めてる日もある。好きな本を1ページだけ読む日だってある。ルールは「好きなこと」だけ。そのシンプルさが、意外と続けやすかった。
1週間経った時、桜子に「最近寝坊してないな」と言われた。自分でも気づいてなかったけど、その週は一度も講義に遅刻してなかった。
「朝、ちょっと工夫しただけ」と答えると、桜子は首をかしげた。「工夫?何を?」
ちゃんと説明できる気がしなかった。だって、ただ5分早く起きてコーヒー飲んでるだけなんだから。でもその5分が、時間割全体を変えてしまった。朝に余裕ができると、朝食も食べられる。朝食を食べると、講義中の集中力が違う。そしたら帰宅後、ゲームをダラダラやる気力も減る。
こんな感じで、小さなことが次々と繋がってる。
2週間目に入った時、SNSでまた「朝5分」の投稿が流れてきた。今度は、コメント欄を読み進めてみた。同じように試してる人、失敗した人、工夫を重ねてる人。色々いた。
俺はどうなるんだろう。このまま続くのか、そのうち元に戻るのか。
でも今のところ、朝5分は俺の一部になりつつあった。