5分の魔法

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第一話 朝は戦場

また遅刻だ。今学期、これで何回目?

講義室に滑り込む俺を、教授の視線が刺す。スマホを見たら8時47分。講義開始から17分後。もう出席すら危ねえ。

夜中までゲームしてた自分を恨みながら座席に着く。同級生の桜子が小声で「また?」と呼びかけてきた。返す言葉もない。

その夜、SNSをぼんやり眺めてたら「朝5分の習慣が人生変えた」って投稿が流れてきた。ふーんって感じで読み進めると、特に難しいことじゃなさそう。朝起きたら5分だけ、好きなことをする。それだけ。

「こんなんで変わるわけねえ」と思いつつも、もう何もしないよりマシだと思って、その日の夜にアラーム設定を変えてみた。

次の朝。予定より30分早くアラームが鳴る。最悪だ。でも決めたことだし。布団から這い出た。

とりあえず、好きなコーヒーを淹れることにした。いつもはインスタントだけど、この朝は時間があるからな。豆を挽いて、ゆっくり抽出する。5分かけて。

カップに注いだコーヒーの湯気を見つめてたら、なんか心が落ち着いた。別に特別なことじゃないのに。

気づいたら余裕を持って家を出てた。講義には15分前に着いた。

ちょっと良い朝だな、って思った。

次の話2
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