画面の向こうの距離感

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第7話

選別された関係

メッセージのやり取りを重ねた先に、何が見えるのか。その問いを抱えたまま、主人公は返信を送った。

「一緒に見たいです」

短い文章だった。装飾もなく、絵文字も入れなかった。だからこそ、その言葉は素直に見える。送信ボタンを押した瞬間、主人公は自分が何を了承したのか、もう一度考えた。

返信は数分で来た。相手もまた、夜中に画面を見つめていたのだろう。次の配信ライブの日時、時間帯。そして「楽しみです」という言葉。

それから一週間、主人公の日常には微かな変化が生まれた。配信ライブまでの時間の使い方が、少し違う。推しのニュースを見つけたとき、まずSNSで発信する前に、相手にも教えたくなる。返信がくると、それが嬉しい。このやり取りの連なりが、何かに変わっていくのを感じた。

ただ、友人の指摘は消えない。SNSに投稿される自分と、実際の自分は違う。相手も同じはずだ。では、このやり取りの中に存在するのは、何者なのか。

配信ライブの日が来た。主人公は相手の名前が出ているコメント欄を探しながら、画面を見つめた。相手も、おそらく同じように主人公のコメントを探しているのだろう。見つけたとき、主人公は思った。ここにいるのは、選別された情報で構成された存在かもしれない。だが、その選別を続けることを、互いに選んでいるのではないか。

完全に理解し合わなくてもいい。全てを知る必要もない。それでも、この瞬間を共に眺めることに、主人公は意味を感じた。

配信ライブが終わり、相手からメッセージが来た。感想や、今後の推し活の話。その会話の中で、主人公は気づく。画面の向こうの距離感は、変わっていないのかもしれない。ただ、その距離を保つことを、意識的に選ぶようになった。そのこと自体が、既に何かの始まりなのだ。

続きはまもなく

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