オフィスの相棒

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第7話

言葉が仕事を映す

その日の午後、高橋は部長の佐藤に呼ばれた。

「君たちの工夫、見てるよ」部長は画面を指した。AIシステムのログには、チームからの報告が日に日に詳しくなっていることが記録されていた。「これ、当初の予想と違う使われ方だね」

高橋は返答に迷った。「予想と違う…というと?」

「最初は業務の自動化を期待していた。でも君たちは、むしろAIに説明する過程で、自分たちの判断基準を整理している。本来なら効率が上がるはずなのに、報告にかかる時間は増えている」

部長の指摘は正確だった。確かに報告業務は複雑になっていた。

「ただ」部長は続けた。「その結果、ミスが減ってる。それに、チーム内の意見の相違も、前より建設的になってる気がする。なぜだと思う?」

高橋は、ここ数日の変化を思い返した。言葉にすることで、自分たちが何を大切にしているのか見えるようになった。AIからの提案に異を唱えるときも、ただ『嫌だ』ではなく、『なぜこの方法にしたのか』という理由を一緒に述べるようになった。その会話の中で、チーム内の価値観の重なりと、ずれが明らかになった。

「もしかして」高橋は言った。「AIは僕たちが話し相手だから、効率的なんじゃなくて…」

「うん?」

「僕たちが自分たちの仕事と向き合い直す手段になってるのかもしれません」

部長は静かに頷いた。「その通りだと思う。それでね。他部署から、君たちの工夫を参考にしたいという相談が来てる。営業事務だけじゃなく、企画チームも、製造部門も。ただ、マニュアル化できない部分があってね。君たちがどうやってこの関係を作ったのか、その過程を伝えられないか」

高橋の心に、新しい課題が生まれた。自分たちが無意識に進めてきた変化を、他のチームに説明するにはどうすればいいのか。それは新しい試みになるのか、それとも、別の問題を生み出すのか。

「考えてみてください」部長は言った。「焦らず、チームで」

続きはまもなく

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