第5話
第5話 選択の重さ
指が震えていた。
画面の光が顔に当たる。時刻は変わらず2時33分。あるいは、この時間からは時が進まないのかもしれない。そんな考えが頭をよぎる。
「カスタマイズを続ける」を押した瞬間、スマホが音を立てた。バイブレーションでも、通知音でもない。何か別の音。機械が何かを動かすような、内部的な音がした気がする。
画面は切り替わった。これまで見たことのない表示だ。新しいタブが開いている。「睡眠状態の分析」というタイトルの下に、グラフや数値が並んでいた。だが、それらは読む気力を奪う形をしていた。
まるで自分の内部を、何かが観察しているかのような構図だ。
手元には、もう一つの選択肢が現れていた。「詳細な記録を確認」という項目。タップすれば、さらに深い層へ進めるはずだ。でも進めば、引き返せなくなる気がする。
枕に頭を戻す。天井を見つめる。2時33分。毎晩同じ時刻。同じ夢を見ている自分。本当に夢なのか。
スマホを握り直す。画面に映る自分の顔は、もはや見覚えのない顔だった。
続きはまもなく
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