第4話
第4話 メモの正体
ものだったのか。偶然の中に、何か必然のようなものを感じた。
「あ、そうなんですか。実は昨日からずっと試してみていて…」
その後の会話は、自分たちだけの秘密めいた雰囲気で進んだ。田中さんは、自分と同じように肩の痛みと向き合っていたのだ。ただし彼女は、すでに数週間前からこのメモの内容を実践していたという。
「最初は気休め程度だと思ってたんですよ。でも、続けてみると本当に違うんです。完全に治るわけじゃなくても、夜寝る前の痛みが減る。それだけで気持ちが楽になりませんか」
彼女の言葉には、確かな実感が込められていた。自分が昨日今日で感じた変化は、彼女にとっては既に数週間の積み重ねなのだ。
昼休みが終わり、席に戻った後も、その会話は心に残った。メモを拾ったことは偶然だったかもしれない。だが、その後の行動は自分の選択だった。試してみること。続けてみること。そして今、同じ悩みを持つ同僚と言葉を交わすことになった。
午後の業務中、ふと気づいた。肩を意識する回数が増えている。それは痛みに気づくということではなく、自分の体と向き合う時間が増えたということかもしれない。
16時。定例会議が終わり、デスクに戻ると、田中さんからメッセージが届いていた。明日の朝、一緒に体操をしませんかという提案だった。
メモはまだ、机の端に置いてある。
続きはまもなく
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