段ボール箱の向こう側

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第5話

季節が教えてくれたこと

その疑問は、一週間後に答えをくれることになった。

部屋の配置がようやく落ち着きを見せ始めた頃、季節の変わり目がやってきた。朝の日差しの角度が変わり、窓から入る光の質が変わる。すると、本棚の前で読書することが増え、昨日まで「奥でいい」と判断した調味料が、頻繁に必要になる料理が続く日が出てくる。

そのたびに、私は小さく物を移動させていた。大げかりな組み替えではなく、ほんの数十センチの移動。でも、その小さな調整で、また部屋が呼吸を始める感覚があった。

同時に気づいたことがもう一つある。前の部屋では、引っ越しのたびに「完璧に整理しなくては」と焦っていた。けれど、今回は違う。その時々で必要なものが変わることを、素直に受け入れられている。完璧を目指すのではなく、暮らしに寄り添う配置を作ること。その違いが、ここまで来てようやく言葉になった。

ノートのページをめくる。前に書いた「朝、目覚めて最初に動く経路」の横に、新しい行を加える。「季節や気分で、その経路は少しずつ変わる」と。

段ボール箱は、今ではほぼ解体されている。でも、倉庫の奥には数箱、まだ開けられないまま置いてある。かつての自分なら、これが気になって眠れなかっただろう。今は違う。その箱たちが、本当に必要になる日が来るまで、ここにいてもいいのだと思える。

引っ越しを何度も経験した自分が、ようやく学んだこと。それは、完璧な配置を一度作ることではなく、暮らしが変わっていくのに合わせて、柔軟に部屋も変えていく力なのかもしれない。

続きはまもなく

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