段ボール箱の向こう側

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第2話

流れを整える

新しい部屋に入った初日の夜。私は段ボール箱を三つのグループに分けていた。

一つは「毎日使うもの」。キッチンツール、寝具、洗面道具。もう一つは「週に数回」。もう一つは「季節ものや予備」。

ノートに書き出した「暮らしの流れ」を見返しながら、箱を開けていく。朝起きて、顔を洗って、着替えて、朝食を作って…その順序に合わせて、ものを置く場所を決めていった。

キッチンで気づいたことがある。前の部屋では、よく使う調味料と、たまにしか使わない道具が同じ棚に混在していた。手を伸ばすたびに、不要なものをよけることになっていたんだ。

今回は違う。毎日使うものは手の届きやすい位置。その背後に、週に数回のもの。奥の方に、季節ものや予備。

「あ、これ…」と手に取る瞬間がある。ずっと持ってるけど、最近使ってないな、みたいなもの。そのたびに小ノートにメモしていく。すぐに判断せず、メモして先に進むことにした。後で見返してみようと思ったんだ。

寝室に移ると、ベッド周りの配置を考えてみた。寝る前、私は読書をすることが多い。だからベッドサイドテーブルは本と眼鏡を置く場所として。その下の引き出しには、季節によって変わる寝具の予備。

こうして、一つのものが「どこに置かれるべきか」という理由を持つようになった。

夜中、部屋中に開いた箱に囲まれながら、私は思った。引っ越しって、ものとの付き合い方を問い直す機会なんだな。新しい部屋だからこそ、「本当に必要か」「どう使うか」を一つ一つ考える余裕が生まれるんだ。

メモに書き溜まった「あ、これ…」の項目は、まだ十個以上ある。明日もこの作業は続く。でも不思議と億劫じゃなかった。

続きはまもなく

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