第1話
第一話 棚の中の約束
スマホを開くと、また新しい講座の完了メールが届いていた。決済完了の通知。え、これいつ買った?
最近、こういうことが増えている。セールで思わず購入したり、SNSで「人生が変わった」みたいなレビューを見かけて衝動買いしたり。で、結局ほとんど手を付けていない。
試しに自分の購入履歴を数えてみたら、もう20個を超えていた。プログラミング、ライティング、デザイン、語学……いろんな分野の講座が、積み立てられている。
「いつかやろう」って思ってたんだ。仕事が落ち着いたら、休みの日に一気にやろうって。でも今、その日は一度も来ていない。
不思議なのは、罪悪感はあるのに、改善しようとはしていなかったってこと。新しい講座を買う時の「できるようになるかもしれない感」は、実際に学ぶことの手間よりも、ずっと心地よかったんだと思う。
だからこそ、今回は違う実験をしてみようと決めた。買ったきりの講座を、実際に開始してみるのだ。別に完走する必要はない。ただ、何が自分を立ち止まらせているのか、それを知りたくなった。
最初に手を付けるのは、三ヶ月前に買ったやつ。タイトルは覚えてるけど、内容はもう忘れかけている。ログインして、第一章を開く。
あ、面白い。こっちは思ってたより気になる。
続きはまもなく
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