朝5時のサイドハッスル

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第7話

第7話 三つの道、一つの落とし穴

朝食を済ませ、田中は約束通り朝5時に机に向かった。スマホを手に、最初のプラットフォームへアクセスする。

ライティング案件のサイト。登録は簡単だった。プロフィール欄を埋め、サンプル記事を提出する。画面の指示に従うだけで、数分で完了した。思ったより敷居は低い。田中は小さく呟いた。「これなら...」

二つ目のデータ入力。こちらも登録自体は難しくない。しかし画面を眺めていて、田中は違和感を覚えた。案件一覧に並ぶ報酬額。その小ささだ。時給換算したら、どうなるだろう。計算機を開く。三時間で千円。時給三百円。妻に話せるだろうか。

三つ目、オンライン講師。ここで初めて躓いた。本人確認書類の提出が必須だ。また、教えられる内容の登録には細かいガイドラインがある。資格の有無を問われ、講師経験の有無も問われた。田中は大学時代、友人に数学を教えていた。だがそれは「経験」として認められるのか。確信を持てない。

時計を見ると5時42分。朝5時から6時という計画は、三つのプラットフォーム確認だけで終わろうとしていた。

そこで田中は気付く。登録することと、実際に仕事を始めることの間には、思ったより大きな溝があるのだと。書類、実績、単価の現実。煽られて飛び込もうとした「副業」は、登録画面の向こうでひっそりと条件を突きつけていた。

妻が「もう出かけるよ」と声をかけた。田中は三つのタブを開きっぱなしにしたまま、席を立った。今夜、もう一度考えてみようと決めながら。

続きはまもなく

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