第6話
第6話 三つの選択肢
メモ帳に書き出した三つの職種を眺めながら、田中は問灯で読んだコメント欄を再度スクロールしていた。
一つ目は「ライティング」。記事作成の案件は数多くあり、単価も様々だ。失敗した人の多くは「文字単価1円以下では割に合わない」と述べていた。工夫した人は「実績を作るため、最初は低単価を受けても、三ヶ月で高単価案件へ移行する計画を立てた」と書いていた。
二つ目は「データ入力」。これは最も敷居が低い。しかし「退屈で続かなかった」という声も目立つ。一方で「スマホでもできるから、通勤電車で片付けた」という工夫もあった。
三つ目は「オンライン講師」。自分の知識を活かせる可能性がある。ただし「生徒を集めるまでが大変」という共通の指摘があった。成功した人は「SNSで実績を先に発信してから、講師募集に踏み切った」と述べていた。
田中は気付く。どれが「正解」かではなく、自分がどこで躓きそうで、どうすればそれを回避できるか。その地図を引くことの方が大事だったのだ。
スマホを置き、手帳を広げた。朝5時から6時は「副業の下見」。出勤までの時間を、実際に各プラットフォームに登録してみることにした。
ドアをノックする音。妻の声。「朝ごはんできたよ」
田中は朝日が徐々に染める窓の外を見た。昨日までと同じ朝。だが今、頭の中には違う地図が広がっていた。
続きはまもなく
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