投資信託という名の扉

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第一話 銀行窓口での出会い

月1万円なら試してみてもいいかもしれない。銀行で定期預金の満期を迎えたタイミングで、窓口の担当者にそう提案されたのが始まりだった。

正直、投資信託という言葉自体、ぼんやりとしか理解していなかった。何か難しそうで、自分みたいな普通の会社員には無関係だと思い込んでいた。でも担当者の説明を聞いていると、やたら難しくもないような気がしてきた。プロが運用してくれるし、毎月少額から始められるし、税制優遇もあるという。

「実は多くの人が同じ状態で始めてますよ」と笑顔で言われたとき、なぜか心が動いた。特別になりたいわけじゃないけど、このままじゃいけない気がしていたのだ。昇進もしばらくないし、給料は横ばい。このままだと40代、50代になったとき後悔するんじゃないか。そういう漠然とした不安が、判断を急がせた。

帰宅後、スマートフォンで投資信託について調べた。するとネット上には賛否両論の情報があふれていた。夢を見るなという警告的なブログもあれば、長期投資で人生が変わったという体験記もある。どれを信じたらいいのか、正直なところわからない。

それでも翌週、口座を開いた。月1万円だ。何か大きな決断をした気分になったが、冷静に考えると、月の給料からすれば微々たる金額である。試しのような投資。失敗しても諦められる。その程度の覚悟で始めたのに、初めての運用報告書を見たときは、意外と心がざわついた。

続きはまもなく

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