迷いの森の学び手たち

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第1話

第一話 選べない夜

画面に映った講座のサムネイルが、また増えていた。★4.8、受講生10万人突破、業界トップクラス……そういったキャッチコピーがズラリと並んでいる。

何かを学びたい気持ちはあるのに、どれを選んでいいのか分からない。その状態が、もう三ヶ月も続いていた。

「やっぱりこれにしようかな」と思うと、別のコースの説明を読み始める。「いや、こっちの方が安い」「でもこっちは有名人が教えてるし」「でも初心者向けって書いてるのはあっちで……」

ループだ。完全なるループに陥っている。

スマートフォンを置いて、天井を見つめた。なぜこんなに決められないんだろう。むしろ選択肢が多すぎることが、学びを遠ざけている気さえする。オンライン講座って、本当に誰でも気軽に始められるものなのか。気軽どころか、選ぶ段階で既に疲れている。

SNSを開くと、知人が「〇〇講座、めっちゃ良かった!」と投稿している。コメント欄には「私も受講しました」「オススメです」という同意の声ばかり。良い体験をした人たちの声は確かに参考になるけれど、それってその人にとって良かっただけじゃないか。自分に合うかどうかは別問題だ。

「結局、どうやって選ぶんですか?」という質問をしているスレッドも見つけた。回答は多種多様で、参考になるような、ならないような。「試し受講して判断する」「レビューをしっかり読む」「講師の他の作品で判断する」……どれもそれなりに筋は通っているように見える。

でも何か、根本的なところで間違っているような気がしてならない。

学ぶことって、そもそもこんなに複雑だったっけ。昔は、学びたいと思ったら本を読むか、誰かに教えてもらうか。シンプルだった。今はシンプルじゃない。選択肢が多すぎるのは贅沢な悩みなのかもしれない。だとしても、この迷いの森から抜け出したいという気持ちは本当だ。

明日、あの人に話してみよう。何か違う視点をくれるかもしれない。そう思って、スマートフォンの電源を切った。

続きはまもなく

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