第1話
第一話 三週間目の朝
朝6時半。目覚まし時計に起こされて、いつもより重い体。昨日は仕事が長引いて、帰ったのが11時過ぎだった。こういう日は外食でいいか、そう思いながらキッチンに立つ。
三週間前、SNSで見かけた「自炊で人生変わる」みたいなポストに触発されて、意を決して始めたのだ。最初の一週間は楽しかった。新しいまな板を買ったり、調味料の瓶を揃えたり。インスタ映えする朝食を作ったり。
でも、毎日って、本当にしんどい。二週間目から、同じ料理の繰り返しに気づき始めた。火曜日のカレー、木曜日の鶏肉。冷蔵庫の中身は大体いつも同じ。ネットレシピを見ても「今日もこれか」って気分になる。
それでも、朝食を作り続けている自分がいる。
今朝は卵焼きと味噌汁。特に凝ったものじゃない。むしろ、毎日作ってるから手が覚えてる。包丁の角度も、火加減も、もう考えずに動く。
食べながら気づく。あ、最近、朝起きるのが早くなった。昨日疲れてたはずなのに、朝日が出てる時間に起きてる。自分でも理由がわからない。外食の朝みたいに、急いでコンビニに走る気分もない。
それと、同僚に「最近、顔色いいね」って言われた。自炊のせいかな?栄養バランスとか、そういうやつ?いや、多分そうじゃなくて。朝、自分でご飯を作る時間が増えたから、なんか心に余裕が出てるのかもしれない。
三週間。まだまだ序章に過ぎないけど、続ける理由が、ちょっと見えた気がする。
続きはまもなく
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