まっしろな資産簿

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第7話

第7話 ルールという名の羅針盤

その文字を見つめ、主人公は深呼吸をした。

『毎月末に一度だけ資産を確認する』『利益が10万円に達したら半分売却』『理由なく売買しない』

三つのルールを書き出すのに、さほど時間はかからなかった。むしろ、これまで考えたこともなかったことが、今ようやく形になる感覚があった。

翌日、橋本から返信が来た。

「考え込んでばっかりで、何も決まってないんですよ」と主人公が打ち明けると、橋本は笑った。「それって悪いことじゃないと思う。むしろ、悩んでる間が一番大切な時間かもしれない。僕も最初、そうでした。何年も悩んでました」

「何年も?」

「はい。で、あるとき気づいたんです。悩んでる理由は、お金だけじゃなくて、自分で決めたことに責任を持つのが怖かったんだって。だから、プロのやり方を真似するだけでなく、自分なりのやり方を作ることが大事だと思ったんです」

電話を切った後、主人公はメモを読み返した。佐藤のアドバイス、橋本の言葉、それらが一本の線でつながった。

これからも、アプリの数字は上下するだろう。その度に、心も揺らぐかもしれない。でも、ルールがあれば。自分で決めたものがあれば。

主人公は、再びアプリを開いた。プラス412円。いつもより、その数字が静かに感じた。

続きはまもなく

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