接続を手放す日まで

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第2話

何が残るか

朝日が部屋に差し込む。いつもならスマホを手に、メールやSlackを確認しているはずだ。でも今朝は、そのまま机に向かった。

ノートパソコンを開く。ローカルのフォルダを整理する作業を始めた。

ここ三年間、ダウンロードしたファイルがごちゃごちゃに積み重なっていた。仕事のドキュメント、勉強用のPDF、参考にしたコード、誰かが送ってくれた記事。どれが本当に必要で、どれが単なる『念のため』なのか、もう判別できない。

クラウドに同期されているから、ローカルには残さなくていいと思ってた。でも逆に考えると、ローカルに何も置いてないって、本当にそれでいいのか。

一つのフォルダを開く。二年前のプロジェクトの資料だ。既に終わったプロジェクト。これは消していい。そう判断するのに、五分かかった。

もう必要ないと頭では分かってても、何か判子を押すような重さを感じる。デジタルのファイルなのに。データなのに。

別のフォルダ。ここには写真が入ってた。休暇で撮った風景、友人との集まり、何気ない日常。全部Googleフォトに自動バックアップされてる。スマホの容量を節約するために、ローカルには置かないようにしてた。

それを思い出して、ふと違和感を覚えた。

昨夜、ベッドで考えたことが、朝になって形になり始めてた。本当に大切なものって、アクセスしやすさじゃなくて、自分がそれを選んだかどうか、じゃないだろうか。

スマホが同期できなくなった時の、あの無力感。それは何か教えてくれている気がする。

机の引き出しを開ける。昔使ってたUSBメモリが出てきた。容量は16GB。今のスマホの一部にも満たない。でもこれ、何か持ってる感覚がある。

何を、このドライブに入れるべきか。その問いを立てることが、もう違う。

続きはまもなく

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